株式会社北國銀行

お客さまの多様なニーズに応えるため、相談業務をオンラインで実施できる体制を構築

記事掲載日:2024年02月26日

  • 金融
  • 1001名以上
  • コールセンター
  • 既存顧客向け
  • 顧客タッチ数の増加
  • 既存ツールからの代替
  • リードタイム短縮
  • 商圏拡大
  • 売上UP・商談数UP

 

北國フィナンシャルホールディングスの傘下として、石川県金沢市に本店を構え、北陸三県を中心に展開している北國銀行様。80年にわたり地域経済を支え続けているほか、DX推進の先進銀行としても注目を集めています。
そんな北國銀行様のダイレクトセンターで、お客さまとのオンライン面談にベルフェイスをご活用いただいております。導入から運用に至るまでの経緯と今後の展望について、ベルフェイス導入を実現したキーマンと実際に現場でベルフェイスを活用するメンバーにお話を伺いました。

対面とデジタルの両方の質を高めて多様なニーズに応える

 

まず、北國銀行の業務概要、および特徴を教えていただけますか。

 

井上:北國フィナンシャルホールディングスのグループ会社である北國銀行は2023年12月で80周年を迎える地方銀行で、「豊かな明日へ信頼の架け橋を」という企業理念のもと、「世のため人のために存在し活動する、そして人々の生活をより良いものにする、より良い社会のために活動する」といったブランド理念を掲げています。

この理念のもと、お客さまや地域社会の発展のために、個人や法人を問わず、総合的・多面的なソリューションを提供しています。新しいビジネスやコンサルティング、投資助言ビジネスにもチャレンジしており、地域のキャッシュレス化やデジタル化にも積極的に取り組んでいます。また、個人のお客さま向けのインターネットバンキングとして「北國クラウドバンキング」というサービスをご用意しており、現在毎月17万人のご利用実績があります。契約後の初期設定などは基本的にお客さま自身で行っていただく必要がありますが、例えばご高齢の方などインターネットやスマートフォンの操作に不慣れな方でも安心してご利用いただけるよう、店頭で「デジタル教室」といったサポートサービスを行っています。

私たちダイレクトセンターは、北國銀行の中で、コールセンター業務やHPからのお問い合わせに対応するなど、主に非対面業務を行う部門です。コロナ禍では、ご来店頂かなくても相談できる体制が求められるようになりました。ご要望にお応えするため、ダイレクトセンターにおける非対面の取引を拡充しています。もちろん対面でご相談できる良さもありますので、対面とデジタルの両方の質を高めながらハイブリッドなサービスを目指しています。

 

デジタル活用を積極的に展開する御行ですが、ベルフェイス導入のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

 

荒井:お客さまの多様なニーズにお応えするため、オペレーションの見直しやデジタル化を進めていますが、その一方で、店舗で資産運用や投資信託、相続対策などの相談をしたいというお客さまのニーズも根強くあり、それにお応えしたいと思っていました。元々、私たちダイレクトセンターでは電話を使ってできる範囲で対応していましたが、お客さまの理解度を確認しながらニーズに合ったご説明ができるよう、電話だけでなく、お顔を見て説明できた方がいい」という声があがっていたため、オンライン対応の検討をスタートしました。

当社では、まずはプロジェクトを立ち上げて、試行錯誤しながら改善して進めていくアジャイル型の業務運営が根付いており、「まずはやってみよう」ということになりました。やはり、これだけ世の中の変化のスピードが早い時代、一つひとつを積み上げて完璧なものを作り上げたとしても、完成した時にはすでに世の中が先を行っているということがあります。

オンラインデスクを設置する際も、お客さまにオンラインのニーズがあるか、調査をするのではなく、まずは始めてみて、どこにニーズがあるのかを探るという方法を取りました。もちろん、社内の業務フローや事務など、ソフト面とハード面でいろいろな改善点はありますが、まずはオンラインでお客さまに対応できる体制にしようと考えました。

 

そこでツール検討に入ったのですね。

 

荒井:はい。社内では以前から他のWeb会議ツールでお客さまと面談することがありましたが、資料を共有するときに通信が重くなって面談が継続できなかったり、事前に準備が必要なため、突然のお客さまに対応ができなかったりといった問題点がありました。ひとつのツールで音声と画像を使っていることが原因だと考えられたので、それらが分離されているツールであること、そしてお客さまのITリテラシーに頼らずとも簡単に使えるツールを探していました。

いくつかのツールが候補に挙がり、比較検討しましたが、お客さま側からもスムーズに接続できて、資料を表示できる、社員側の操作がシンプルで簡単という点が決め手となりベルフェイスを採用させていただきました。

体験を通じて、丁寧に浸透させていった

 

どのようにベルフェイスを浸透させていこうと考えたのでしょうか。

 

荒井:私は、まず社員がオンライン相談の「接続に対する不安」をなくすことが重要だと考え、ベルフェイスのオンライン接続はシンプルで簡単であり、お客さまも簡単に接続できる面談ツールであるということを社員に伝えました。具体的には店頭に来られたお客さまが、どのようにしてオンライン接続をするのか社員に体験してもらい“これならお客さまも簡単に接続できそうだ”と実感してもらう取り組みをしました。接続までの流れを理解する事で、社員はお客さまにオンライン接続までの手続きのご案内がしやすくなり、オンライン相談のご案内の不安を減らすことができたと思います。
オンライン相談は形が無いものなので、「オンライン相談は便利ですよ」と言うだけでは伝わりません。まずはやってみる、触ってみるということを大事にしています。

佛田:具体的には、ダイレクトセンターに資産運用のお問い合わせが入ったときに、「お電話では個別具体的なお話ができかねますので、簡単に繋がるオンラインでいかがでしょうか。今お試しでやってみませんか。」と声をかけています。そうすると、たとえば70代のお客さまでも「これならできそうだわ」とおっしゃってくださいます。
お客さまの「自身でオンライン接続操作をする」という心理的不安を払拭し、便利なサービスを体験いただく事で次のご相談でもオンライン相談をご利用いただいています。

荒井:ご高齢の方であっても、オンラインに対して苦手意識を持たず、“利用してみたい”と思っている方はいらっしゃいます。社員に対しても、自分自身が持つ固定観念を取り払い、「まずは様々なお客さまに体験してもらえるよう、案内してほしい」とお願いしました。同時にお客さまの反応や声を私たちにも教えてほしいとお願いし、情報を集約して改善に繋げようと考えました。

急激にではなく、少しずつお客さまに体験してもらい、丁寧に浸透させていきました。まずスモールスタートでやってみて、お客さまの反応を見ながら業務フローに改善点を加えて本格稼働という流れで進めました。

 

ベルフェイスを導入すると聞いて、率直にどのような感想を持ちましたか。

 

佛田:最初はどうなることかと思いました。これまで対面時はチラシやパンフレットを使ってご説明していましたが、オンラインではそれらが画面越しになるということで、「対面時と同じ資料で説明できるのか?」「こちらが資料を準備しているときに、お客さまをお待たせするのでは」といった不安もありました。そこで、オンラインでもお客さまにわかりやすく説明するために何ができるか、チームでミーティングを重ねて不安を払拭していきました。

ベルフェイスを店頭で使い始めた当初は、「これまで店頭で面談できていたのに、どうしてオンラインなのか」と不安や不満を持たれる方もいらっしゃいました。しかし実際にベルフェイスを使って面談してみると、「あまり対面と変わらなくてよかった」「専門スタッフから詳しい説明が聞けてよかった」といったお声を頂くようになりました。操作のための事前準備が何もいらないという点で驚かれる方も多く、「これならすぐにできる」とお喜びいただいていると実感しています。

 

他の社員の方々の反応はいかがでしたか?

 

佛田:営業店にいるときは、説明方法等について担当者の属人的な部分もありましたが、リモートマネープラザでは「この資料はどのようにお見せしながら説明するとわかりやすいか」とチーム内で相談しながら進めていきました。私たちの提案スキルも向上し、お客さまにも均一なご案内ができていると感じています。

荒井:来店相談では起こらないオンライン相談特有のトラブルがあるため、戸惑いはあると思います。私たちはチームの中でそのような不具合やトラブルを「新しい発見」と言い換えています。操作方法や、資料の展開方法など困ったことは必ずチーム全体で共有して、どうすればいいのかを考え、一歩ずつ改善を進めています。スタートした4月時点と比べ、改善できたことはたくさんあります。

佛田:オンライン相談は、お客さまとお話しながらPC操作をするという点で、どうしても慣れない部分がありました。たとえばお客さまとのお話のなかで沈黙が生まれてしまった場合には、オンラインの感想を聞いてみる時間として活用するようにしています。改善を重ねていくことで、対面時には平均して1時間半ほどかかっていた面談時間も、オンライン相談では1時間程度にまとめられるようになりました。

これまで接点を持てなかったお客さまにも対応ができる

 

実際にどのような効果を実感されていますか。

 

荒井:オンライン相談を活用することで、「これまで銀行に相談する機会がなかったお客さま」と接点を持てるようになりました。具体的には北陸三県以外のお客さまです。今までは北陸三県以外に転居されたお客さまとは、帰省などの機会がないと接点を持つことができませんでしたが、オンラインを通じて日本のどこにいてもご相談いただけるようになり、末永く資産運用のお手伝いができますので、お客さまにもご安心いただけると考えています。

お客さまの資産運用のニーズも高まっていますし、“北國銀行と取引があるから、まずは北國銀行に相談したい”と考えてくださっているお客さまも多いです。相談はしたくても近くに店舗が無いお客さまに対してはベルフェイスを有効活用できます。やはり、お顔を拝見しながらお話すると安心していただけますし、資料を拡大したりマーカーで指し示したり、お客さまに合わせて見やすく表示する事で、お客さまに安心感の提供が出来ていると感じています。

佛田:近くにお住まいの方であっても、例えば、小さなお子様がいらっしゃってご来店が難しい方にも、オンライン相談は喜ばれます。実際に「オンラインがあって良かった」というお声はたくさん頂いています。

井上:資産運用以外にも、オンライン相談で相談業務もやりやすくなっていると感じています。お客さまも銀行側も、一度利用してみるとその便利さに気づきます。ご自身で手続きを完結させたいと考えるお客さまの場合はインターネットバンキングでお手続きいただけますが、社員に相談しながら考えたいというお客さまは一定数いらっしゃいます。私たちはそういったお客さまに寄り添い、きちんと提案できる仕組みを持つことが重要だと思っています。その役割のひとつを担っているのがベルフェイスを活用した提案です。対面と同じように資料をお見せしながら対応できるという点で、大きなメリットを感じています。

 

今後、ベルフェイスを活用して実現したいことや期待していることはありますか?

 

佛田:パソコンをお持ちでないお客さまは、スマートフォンを使って面談しています。お客さまにはご満足いただいていますが、スマートフォンでオンライン相談をする場合は、一部機能に制限があります。パソコンでのオンライン相談と同じ機能を使用し面談できれば、更に満足度が上がると考えます。お仕事の空き時間にご相談される方もいらっしゃるので、スマートフォンでの利用がもっと使いやすくなればと思います。

荒井:私は、より良い受付体制とフローを構築していきたいと思っています。予約の方法や体制、申し込み時の事務手続きも含めて、シンプル化が必要だと思っています。また、これからオンラインでの相談件数が増えてきた場合には、社内での担い手が必要になっていきます。オンラインの画面上でも「わかりやすい説明」「対面と同様な話しやすさ」を実現する為に、ベルフェイスを使いこなせるITスキル・コミュニケーションスキルを持った人材の育成が今後の課題です。

井上:これまでの活用状況を見ると、7割が営業店からダイレクトセンターへの連携です。これは、どこの店舗に来店されても専門担当者につながり、質の高いサービスが提供できているということを意味していて、私たちがやりたかったことのひとつでもあります。一方で、残り3割はお客さまのご自宅からのご相談になります。今後はこの割合も増やしていきたいと考えています。それがいわゆる、お客さまの相談ニーズが増えることだと思っていますし、オンラインがあるからこそ、お客さまに“相談してみようかな”と思ってもらえるきっかけになると考えています。

直近では、休日受付の稼働を広げたことで、自宅から相談いただける割合が5割超に増えました。これからもオンラインの取り組みを通じてお客さまのニーズを確認し、そのニーズに応えられるような最適な体制を構築していきたいと思います。そして一度オンライン相談を体験したお客さまがリピーターになっていただくことで、この取り組みが広く周知されていくと思いますので、北國銀行に相談したいと思うお客さまがより増えてほしいと考えています。

 

 

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