生活協同組合パルシステム神奈川
「リモートコントロール機能」を活用し、Web上で申込み手続きまで完結できる仕組みを構築。組合員と職員を守る“非相対”の取り組みとは。
記事掲載日:2022年07月19日
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はじめに
神奈川県内で34万人もの組合員と生産者をつなぎ、各家庭に“食の安全”を届けているパルシステム神奈川様。コロナ禍で、組合員の方とのコミュニケーション手段のひとつとして、bellFaceをご活用いただいております。なぜbellFaceを導入することになったのか、そしてどのような未来を感じているのか。bellFaceの導入・推進に尽力してくださっている二人のキーマンにお話をうかがいました。
生活協同組合パルシステム神奈川
パルシステム事業部 共済推進課 課長
高橋 祐介さん
パルシステム事業部 営業推進課
森重 紗樹さん
重視しているのは、生産者と組合員を繋ぐコミュニケーション
まずは、パルシステム神奈川様の事業内容と特徴から教えていただけますでしょうか。
高橋さん:神奈川県内で、食と農を支える「産直」、資源循環型社会をめざす「環境」を基本に、商品供給事業、福祉事業、共済・保険事業、電力事業を展開しています。組合員数は、登録ベースで34万、組合員のくらしを守り、地域に根ざした事業活動に取り組んでいる消費生活協同組合です。コロナ禍でニーズが高まり、組合員数も増加傾向にあります。お問い合わせ自体も一気に増えましたが、私たちとしては、求められる商品をしっかりお届けしたいという思いから、需要と供給のバランスを考えながら組合員を増やしている状況です。
森重さん:私たちは、生産者と組合員を繋ぐ役割を自覚しているため、職員が実際に産地に行き、どのように野菜を育てているのかをこの目で見ています。また産地交流など、組合員参加していただけるイベントもありますので、そこにパルシステムの独自性があると思っています。
高橋さん:組合員が商品開発に携われる仕組みがあるのも、パルシステムならではといえます。実際に利用する方々の“思い”が詰まった商品ですので、その商品を配達することで組合員同士、もしくは私たち職員とのコミュニケーションが生まれます。
組合員を募集し、ご契約に至るまでの流れを教えてください。
森重さん:大きく分けて3つの入口があります。
1つ目は「戸別訪問」というこちらからご自宅に伺いし、ご案内をするパターン。2つ目はWeb経由やご紹介などお客様からお問い合わせをいただくパターン。そして3つ目はパルシステムが主催するイベントで知っていただくパターンです。
コロナ禍以前は、戸別訪問が割合としてもっとも大きかったです。興味を持たれていない方のご自宅に訪問するので、まずはパルシステムを知っていただくところからはじめます。そこから理解が生まれ、ご加入のきっかけを作ることができます。
高橋さん:この数年では、だいぶ戸別の割合は少なくなってきています。以前は5割程だったものが、現在は3分の1にも満たない程度。一方で、インターネットで情報を取得し、お問い合わせをいただいた方のご自宅におうかがいするケースが増えてきています。
組合員と職員を守るためにはじめた“非相対”の取り組み
貴会がベルフェイスの活用を検討することになったきっかけを教えていただけますでしょうか。
高橋さん:きっかけとなったのは、コロナ禍です。お問い合わせをいただいたとしても、ご説明や契約時にはご自宅を訪問していたのですが、コロナの影響が甚大になってからは、お問い合わせをいただく方から“職員が訪問することで感染するのではないか?”と不安に思われたり、もちろん私たちも訪問により生ずる感染リスクへの恐怖もありました。そこで、相対しないでご契約する方法の検討を進める必要があるという議論が生まれてきたのです。
他にも様々なツールがある中、bellFaceを選んだ理由はどのようなものだったのでしょう。
高橋さん:パルシステム千葉では、すでにbellFaceを使用している実績がありました。そのため必然的に「bellFaceを一度試してみよう」という話になりました。もちろん比較検討はありましたが、電話で話しながら途切れない、電話の延長で画面の共有ができるなど、環境に左右されずに使えるといった点でbellFaceが最適だという話になりました。
bellFace運用のための専門チームを立ち上げ、ノウハウを集約
bellFaceを導入後、どのように普及させていったのでしょうか。
高橋さん:昨年まで森重が在籍していた鶴見営業所が、bellFaceをうまく活用してくれたので、そこから徐々に他の営業所にも波及していきました。
森重さん:そうですね。鶴見の営業所長が新しいことをどんどん取り入れる方で、まずは夜間帯のアポからオンラインに変えていきました。そこで手ごたえを感じ、徐々に昼間のアポもオンラインになっていきました。
実際に最前線で活用していた森重さんから見て、bellFaceはどのように映っていましたか。
森重さん:最初こそ手探りでしたが、使い勝手が良かったので、すぐに慣れていきました。体感ではありますが、オンラインのほうが話をきちんと聞いていただけるような気がします。相対の場合、食材サンプルをお渡ししていることもあり、“それほど興味を持たれていらっしゃらないけれども、とりあえず話を聞く”というケースも正直多くあったと感じています。逆にオンラインですと、そのような方が少なく、加入を前提で話を聞きたいという人が多いのかと思います。
鶴見営業所の実例で、ある程度実感が持てたということでしょうか。
高橋さん:間違いなく、これまでは拾えなかった層のお問い合わせを拾えている実感はあります。その上で、非相対と相対をうまく使い分け、お問合せいただく方の要望に合わせて柔軟に対応していくことが大切だと気づきました。
去年の1月から、bellFace活用の方向性を本部で決めて、それを全体に広めていきました。訪問をしなければ、移動時間の削減や、スタッフの事故リスクと環境負荷も軽減できますから、できるだけ非相対で対応できるアポは非相対を進めていこうと呼びかけたのです。また、同時に問い合わせを受ける窓口でも相対なのか非相対なのかを振り分け、後者の場合はbellFaceを使って対応していくかたちに徐々に変えていきました。そして最終的には、問い合わせ窓口を本部に集約し、ベルフェイス活用の専属チームを立ち上げました。
専属チームでは、bellFaceをどのように運用して成果を出そうとされていますか。
森重さん:立ち上げたばかりのチームなので、今は探り探りという感じです。まずは今まで各センターごとで対応していたbellFaceでの商談を、本部で対応できる体制に整えています。この取り組みにより、各センターの対応数を3割減らすことを目標としています。
また、センター間で活用のバラツキや活用浸透に差があるので、本部が中心となることで成功事例の共有や不明点が出たときにもすぐに聞ける状態をつくるなど、bellFaceの活用が進みやすい状態づくりをしていきたいです。
貴会ではbellFaceの新機能である「リモートコントロール機能(通称:リモコン機能)」を使っていただいてますが、どのような経緯で使い始めたのでしょうか。
高橋さん:リモコン機能は、パルシステムとして、とても欲しかった機能でした。以前の加入手続きは、申込みページの記入方法を電話のみでサポートをしていましたが、相手の方が見ているページや操作状況がわからず、認識の齟齬が起こるなど、とても不便でした。慣れてくるにつれて加入手続きに書いてある順番を覚えて、相手の方の入力の感覚もスピードもわかってきていたのですが、それでも画面共有があった方が正確だと思っていました。
パルシステムの内部でも「一緒に同じ画面を見ながら入力できる方法があったらいいね」と話していて、上司からも「そのような機能を開発してもらえるようにベルフェイスさんに話してくれないか」という話もありました。そんなときにベルフェイスさんからリモコン機能を開発しているという話をお聞きしました。
リモコン機能を使うようになってから、何が大きく改善されたのでしょうか。
森重さん:リモートコントロール機能は、職員が申込みページを表示し、そのページへ直接相手の方が操作できる権限をお渡しできるため、通常の画面共有機能とは違い、相手側に手間がかかりません。
感じている成果としては、入力間違いの数が格段に減りました。例えば、お申し込みの最初に出資金をお預かりための手続きをWebで行っていただくのですが、その操作方法を間違ってしまうと後日出資金をお預かりするためだけに訪問するパターンが何回かありました。そういったロスを防げるようになったのはありがたかったですね。
まだ使い始めたばかりの機能ですが、今後、ベルフェイスチームが専属で活用していくので、新たなユースケースを見出していきたいです。
ベルフェイスの担当者の伴走があったから情熱をもって取り組めた
今後の展望をお聞かせください。その中でベルフェイスがお役に立てるところがあれば教えてください。
森重さん:ベルフェイス専属チームになり、まずはbellFaceの機能をパルシステム神奈川の中で一番知っている存在になる必要があります。日々新機能やアップデートの情報もいただいていますので、まず自分で吸収して、他の人に伝えていくことが一番大事だと感じています。
ベルフェイスのご担当者には毎回、優しく教えていただいています。質問などあった時には聞きやすい雰囲気で、いつもメールやチャットで素早く受け答えをしていただいて大変ありがたく思っています。
私自身、bellFaceを使って、とても良かったと本当に思っています。個人的な話ですが、私は車の運転に慣れないままに入協したのですが、そんな危なっかしい運転をしている人の負担を減らすのは、とても重要なことです。交通事故リスクや職員のストレスを軽減できる、すばらしいツールだと改めて感じています。
高橋さん:森重の言うように、bellFaceは現場におけるリスクを軽減できるだけではく、環境保全にも効果のあるツールだと感じています。パルシステムでは、1ヶ月の車の利用回数が全体で200回減りましたし、鶴見営業所ではガソリンの利用も約70リットル/月、削減することができました。
社会情勢に左右されず、相対しなくても営業ができる一つのスタイルを確立しておく必要があります。非相対、相対それぞれいい部分がありますので、伸ばせるところは伸ばしながら、あらゆる問い合わせを取りこぼさない仕組みを構築していきたいと思います。
これまでも、ベルフェイスのご担当者には大変ご尽力をいただきました。自分自身が熱を持ってここまでやってこられたのは、ベルフェイスさんの伴走があってこそのことです。目標も一緒に立てて、それに向かってきちんと道筋を立ててくださいました。ユーザーインタビューやロープレまで手厚く対応してくださいましたし、データを整理してフォローをくださいました。今後も、これまで以上に密接な関係性の中でフォローをいただけるものと期待しています。