株式会社ietty
売上1.5倍!効率と受注率の両方を改善したオンライン接客の活用法とは?
記事掲載日:2021年03月31日
- 不動産サービス
- 51-100名
- インバウンドセールス
- 既存ツールからの代替
- 教育、研修効果
- 経費DOWN
- リードタイム短縮
- 売上UP・商談数UP
1.対面接客のキャパ解消を図りつつ、接客効率化と成約率向上の双方を実現!
bellFace導入前の課題を教えてください。
島田さん:チャット型不動産仲介サービス「ietty」を運営しています。具体的には、お客様の希望条件に合った物件を探し、希望に応じたお部屋をチャット上でご紹介する賃貸物件の仲介サイトです。
導入のきっかけは、繁忙期の対面接客の課題感からです。物件紹介はチャットで行いますが、絞り込みや内見予約、図面などの詳細案内などは電話や対面で行っています。実店舗は恵比寿の1店舗、しかも繁忙期は営業担当者の頭数が足りず、対応しきれなくなる課題がありました。内見以外の対面接客をオンライン対応に置き換えようと、bellFaceを導入しました。
bellFaceはどのようなシーンで活用されていますか?
島田さん:一番は対面と電話の間のコミュニケーションツールとして活用しています。弊社のお客様の中には
・電話で内見申し込みをいただき、現地集合。そのまま解散をご希望
・ご指定の物件のオンライン内見のみ
といった方もいらっしゃいます。このような場合、お客様側が指定された特定の物件の案内に終始し、どのような物件をお探しなのかについて情報収集ができずにいました。そのため、その場限りの対応や案内になってしまい、継続したご提案につながらず成約に繋がりにくい傾向がありました。
bellFaceを導入してからは、オンライン接客で事前ヒアリングや、内見後にオンラインでアプローチを行えるため、コミュニケーション不足による失注を回避できています。今では内見の前にbellFaceで顔が見えるやり取りを行うのがスタンダードです。
bellFace導入後、どのような成果が出ましたか。
島田さん:第一に、接客業務の効率化です。それまで、「チャット→来店(対面接客:1.5時間)→内見」だった流れが、「チャット→bellFace→内見」と対面接客を省略できるパターンができました。もうひとつのパターン「チャット→bellFace→来店(対面接客)→内見」も工程は増えますが、対面接客時間を30分以上短縮できるようになりました。物件を絞った状態で現地に行けるため、内見時間も半減しています。
第二に、担当案件の増加です。bellFace導入前、店舗では19時以降の接客はできないため、事務処理の時間に充てていました。その時間もオンライン接客が可能になったおかげで、各営業メンバーの担当案件数は1.5倍に増えました。
結果として、成約率、売上、共に上がっています。オンライン商談を挟むことでヒアリングの精度が上がり、成約率は60%から80%に、売上げは1.5倍となりました。遠方の方など、対面接客がマストだったお客様からの先行申込が3%から15%に上がったのも大きなインパクトでした。
新型コロナウイルス対策でbellFaceを導入したのではなく、目的が「接客課題の解決」と明確だったのがうまく活用できた理由と思っています。早めに導入して社内浸透が進んでいたおかげで、コロナ禍で案件が減った時期も売上を落とさずに済みました。bellFaceを導入していなかったら、大きく機会損失していたでしょう。
2.不動産業界では電話接客がスタンダード。そこにフィットしたbellFace
オンライン面談に対するお客様の反応はいかがでしたか。
島田さん:お客様側と社内側それぞれにメリットがフィットし、スムーズでした。
お客様側は、接続の容易さです。URLを発行するツールは世代によってハードルが高く、商談まで進まないケースもあると聞きます。
弊社はチャットがメイン窓口ですが、電話をかけてこられるお客様も多いです。まず電話で受け、そのまま必要に応じて通話中にbellFaceを繋げる点が、お客様にも使いやすいなと。
ご案内の言い回しもオンライン接客のことは、ビデオ接客と通称にし、接続誘導も「ご自宅にいらっしゃるまま、不動産業者のみが閲覧可能なデータベースをご覧いただける【リアルタイム物件相談窓口】です」と表現して、心理的ハードルが上がらないよう工夫しています。また、セキュリティの問題でブラウザに制限がある法人のお客様にもbellFaceは使えるので助かっていますね。
社内の反応についてもお聞かせください。
島田さん:社内側には、不動産業界がもともと電話接客がスタンダードな点にフィットしました。最初から最後までオンラインで接客をする、となると抵抗があったと思いますが、「電話をしながら画面を見せられるツール」と認識できたため浸透もスムーズでした。まずは若手社員が「効率的に対応したい」と活用し始め、その成果を見たベテランにも広がり始めました。
当初あまり活用が進まなかったベテランを集め、bellFaceだけで売上を立てるチームを作ったんです。KPIに売上と内見件数を設定したところ、見事、成果につながって浸透しました。もともとベテランは電話商談のスキルが高い人材です。お客様側メリットでお話した「電話で受け、そのまま必要に応じて通話中にbellFaceを繋げる点」が社内側でもはまったのだと思います。
オンライン商談浸透のためにされた取り組みを教えてください。
島田さん:オンライン接客のセオリーやマナーをまとめた“心得”を作成し展開しました。「冒頭に目安時間を伝える」、「一方的に喋りすぎない」、「お客様が接続終了するまで、先に画面を閉じない」など、共通言語化しています。これにより接客の仕方がスムーズに浸透し、導入して1ヵ月ほどで成果が出ました。
3.共有メモで案件引継ぎ、教育にはレコログ。目指すは商談の標準化
電話以外から流入するオンライン商談のお申し込みについては何か工夫をされていますか?
島田さん:店舗来店よりも気軽にご予約いただけるよう、予約枠を30分刻みにしました。
また、来店の少ない平日限定で「オンライン接客特典」を設けて誘導し、案件を分散させる工夫を行っています。私達が案件をコントロールできるチャネルとして非常にメリットを感じていますね。
当初はキャンセル率の高さが課題でした。そこで、ペナルティは設けないのですが「キャンセルポリシー」の文言を記載したリマインドメールを送り始めたところ、キャンセル率が約60%から10%に劇的に改善しています。
bellFaceの機能をどのように活用されていますか?
島田さん:共有メモに家賃や希望間取り、時期などの必要情報が記入できるテンプレートを設定、商談後、自社のCRM(顧客管理システム)に保存し、次回接客時に活用しています。テンプレートのおかげでヒアリングの抜け漏れが防止されますし、案件引継ぎ時にも役立っています。また商談中、お客様に住宅情報サイトで検討している物件のURLを貼り付けていただき、双方で情報共有ができる点も良いですね。
新人教育にはレコログを活用しています。前述の“心得”を体現した商談や、お客様からアンケートで高評価だったレコログを選定し、不動産業界特有の専門用語の言い回しや商談の進め方などを学べるようにしました。
今後のbellFace活用の展望をお聞かせください。
島田さん:bellFace接客後に内見に至らない、というお客様の歩留まりをどう改善するかが会社として課題です。ですので、商談解析の機能などを利用して商談の標準化を図りつつ、bellFace接客後のお客様のナーチャリング(養育)をどうするかに取り組んでいきたいと思います。
島田さん、本日はありがとうございました!
※所属部署は取材時(2021年3月)のものとなります。