三菱地所レジデンス株式会社
対面が当たり前という先入観を超えて見えた本音。三菱地所レジデンスは真にお客様が求める商談をベルフェイスで実現
記事掲載日:2020年07月21日
- 不動産サービス
- 1001名以上
- インバウンドセールス
- 売上UP・商談数UP
本事例のポイント
はじめに
インサイドセールスを成功させた企業にお話を伺うインタビューシリーズ。今回は、「三菱地所レジデンス株式会社」の菊池さん、菅井さん、木村さん、藤掛さん、夏井さんにお話を伺いました。
1.対面商談の習慣が根強い不動産業で、オンライン商談導入を後押ししたものとは?
御社の事業内容と、ベルフェイスを導入されるきっかけを教えてください
菊池さん:三菱地所グループの中で、マンションや一戸建てなど住宅分譲事業を中心に手掛けています。ベルフェイスは、住宅購入を検討されるお客様への対応に利用しています。
マンションなど住宅業界は、お客様に何度もモデルルームへご来場いただいた上で、ご決断いただくのが一般的です。我々もそれが当たり前で、お客様もそれを求められていると考えていました。しかし実情は、お客様に共働きの若いご夫婦が増え、彼らのようなお客様は多忙で、何度もモデルルームにご来場いただくのが困難になってきていました。「少しでもお客様の負担を減らしたい」そう考えた私たちは、ベルフェイスを導入し、オンライン商談実施の試みを始めました。
夏井さん:ベルフェイスを選んだ最大の理由は音声の安定性です。オンライン会議ツールは社内外の打ち合わせで日常的に利用していますが、Web回線を使った映像+音声のやりとりはネットワークの混雑状況等の影響を受けやすく不安定で、ストレスを感じることが多くあります。B to Bならまだしも、一般のお客さま相手の商談でそうした状況に陥ることは極力避けたいのですが、その点、ベルフェイスは敢えて音声に電話を利用するため、通話品質が非常に安定しています。仮にネットワークの遅延等で画像が乱れても、会話はクリアに繋がっていることで、落ち着いてお話をしながらリカバリーできる点を高く評価しました。
ベルフェイス導入後の成果を教えてください
菊池さん:主に初回接客でベルフェイスを使っているのですが、オンラインで初回接客させていただいたお客様の4割程度をモデルルーム来場へ繋げることができています。これは、対面で初回接客させていただいたケース以上の数値です。オンライン商談では対面商談以上に、モデルルーム来場へ繋げることを意識して取り組んできた結果だと思います。
藤掛さん:対面商談とオンライン商談で、購入申込への移行率を比較しても、遜色ありません。また、対面商談とオンライン商談を併用することで、対面商談だけでは接点を持つことが難しかったお客様もフォローできるようになっています。
2.若手中心のワーキンググループが、スピーディな社内浸透を実現!
導入決定から、どのように社内展開を進められましたか?
菊池さん:不動産業界は対面文化が根強く、IT化も進んでいません。そのため、導入当初は、若手メンバー中心にトライアルとして、ベルフェイスで商談を実施しました。すると想像以上にお客様から好評だったのです。その理由は、小さなお子様がいてモデルルームに行きにくい、家族同士の時間調整が困難、遠方のため気軽に行けないなどのケースです。来場が難しいお客様が情報収集のためにオンライン商談を選択くださり、そこから成約実績も出ました。我々が思っていた以上に、オンライン商談は不動産の現場にフィットする可能性があると感じたのです。
この手応えから、全店でのベルフェイス活用を決定。社内展開のために木村を中心に首都圏の各販売部から20代~30代の若手をメンバーにした「オンライン接客ワーキンググループ」を立ち上げました。商談から契約までのフロー表や、既にオンラインの経験を積んでいた菊池、菅井をお客様役と営業役にしたロープレ動画を制作、展開しました。この動画のおかげでオンライン商談に懐疑的だった社員にも自分事として捉えてもらえるようになったと思います。
また、メンバーが吸い上げた現場の声を情報のブラッシュアップに活用する他、成功事例やTIPS集など積極的な情報発信を行っています。とりわけ4月~5月の緊急事態宣言が発出された環境下では、弊社も営業を自粛し、全国のモデルルームを閉鎖しました。対面商談での対応が困難であったため、今後の事業継続にはベルフェイスの活用が不可欠だと強く伝え続けました。
ベルフェイスは元々、都心部の3か所でテスト運用している段階でしたが、新型コロナウイルスの影響でモデルルームの営業自粛が視野に入った3月末から、都心部13物件に利用対象を拡大しました。そして、緊急事態宣言が発出され、営業自粛に入った4月のタイミングで導入対象を全店に拡大することが決定。自粛期間中は全店対象にオンラインで説明会を開催し、各自が在宅環境下でトレーニングを続けるなど準備を進めてきました。5月下旬の営業再開後は全店でオンライン商談を運用していて、今では若い層だけでなく、課長クラスのベテランも活用しています。
ベルフェイスの本格導入後、お客様からの反応はいかがでしたか?
菊池さん:やはりトライアル時期で感じたように、様々な理由で容易にご来場いただけない状況のお客様を中心に好評でした。改めて、対面商談が当たり前と思われていた不動産業界でも、オンライン商談は有効だと感じられましたね。
菅井さん:ご年配の方も、PCを普段使う方なら検索はできるので、問題はありませんでした。専用のアプリをインストールして使うよりハードルが低いので使いやすいようです。また「オンライン商談をします」ではなく「お電話しながらパソコンで説明ができます」と表現をすることで難しいシステムだと思われないようにしています。
3.オンライン導入成功のカギは、長期的な視点で構築した設計!
変化する顧客ニーズへ、これからも活用を
お客様に対してどのように活用していますか
菊池さん:ベルフェイスで資料をお見せしながら物件のご案内をしています。画面共有機能を活用し、物件の様子をVRで体験いただくこともありますね。モデルルームに来場されてのご案内は、お客様のご興味によってお伝えする内容が左右され、きちんとセールスポイントを説明できないケースもありますが、オンラインはこちらで流れをコントロールしやすく、余すところなく情報をお伝えできるメリットもありました。
今後のベルフェイスの活用についてお聞かせください
菊池さん:Web商談(旧:多拠点機能)の機能を活用し、購入検討者様、その親御様、インテリアコーディネーターなど多くの方が参加される打ち合わせをオンラインで実施したいですね。
不動産業界でのオンライン商談の展望についていかがでしょうか。
木村さん:以前、不動産をお求めになる方は、地元やそのエリアに地縁性がある人が主でした。しかし最近は、都心の物件を地方や海外の富裕層が注目しているというケースも多くなってきています。初期接客がすぐできるオンラインのメリットを活かし、遠方の需要をいち早く掴みたいです。
菅井さん:都心の高額物件のメインターゲットが、50~60代から共働き中心の40代にシフトしているように、時代によってターゲットやお客様のニーズが変化してきています。いずれ現在の20代、さらには10代の方が新築マンションの購入を検討いただけるようになった時、その世代はオンラインがスタンダードになっている可能性も考えられます。未来の顧客獲得のためにも、オンライン商談は必要な展開だと考えています。
菊池さん:他の不動産事業者も導入に向けて動いていると思いますが、弊社はベルフェイスを新型コロナウイルスの状況を乗り切るためのツールではなく、お客様と新しい接点を設けることに主眼を置き長期的な目線で導入しています。分析を進めるためのデータの取り方や、その場の接客だけでなく次につなげるために必要なTIPSを社内に共有できていたので、短期間で一気に浸透できたと思います。コロナありきではない、スタート設計が重要でした。
皆さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。